ディベートとは

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ディベートとは

ディベートとは、特定の論題に対して、個人の意思にかかわらず、肯定(賛成)・否定(反対)のグループに分かれてルールのもとで議論することです。主観的な考え方と切り離して客観的な考え方をする必要があります。

ディベートでは、自分たちのグループが主張する時間や考える時間があらかじめ決められています。(3~5分程度)

始めに肯定・否定のグループが主張を展開します(立論)。それぞれの論に対して、質疑応答を行い、反論を行うというものが全体の流れです。

一連の過程でグループワークを行うことにより、協調性が育まれるとともに、情報の取捨選択能力や意思決定力なども向上します。

一般に、最終の判定は第三者であるジャッジかディベート参加者の多数決で決まることがほとんどです。理論的に説得できたかを判断するためです。

ベルワークスのファシリテーションディベートではジャッジが判定します。論の強さ(重要性の高さ)を公正に判断してディベーターに周知するためです。また、フィードバックを行いファシリテーションにつなげます。

ディベートでは、自分たちのグループの主張や相手グループからの反論に対して議論の推移によって対処しなければ、自分の論を通すことはできません。

ロジカルな主張とクールな判断が求められます。

なぜ、ディベートをするのか

アクティブラーニングとしてディベート的思考力を養うことが目的です。具体的に身につく主な能力(属人的なもの)は次のとおりです

  •  論理的に物事を考える能力(ロジカルシンキング)
  • 自分の主張を的確に伝える能力
  • 相手の主張を聴く能力
  • 相手の主張を理解する能力

ディベートの流れ

ファシリテーションディベートにおいては一立論方式を採用します。ほかには二立論方式や相互尋問(質問)方式などのルールもありますが、一立論方式が一般的であることと議論が複雑になり所期の目標を達成しないことを避けるためです。

ディベートは肯定側の立論から始まります。質疑応答を経て反論へと移りますが、ここで肯定側と否定側の順番が入れ替わることに注意してください。
理由は、現状を否定する方が先に反論して立証責任を果たすべきだからです。
競技ディベートでは、否定側に立ったときに新しいプランを出す場合があります(カウンタープラン)。また、相手の主張を取り込み、自分たちのグループのメリットやデメリットにすることもあります(ターンアラウンド)。競技ディベートとしては有効な手段ですが、ファシリテーションディベートの趣旨には合わないので行いません。

立論の組み立て方

立論の内容

ディベートの立論は、論文のように文章をまとめるものではありません。
肯定側なら、メリット、否定側ならデメリットというように、1つずつ主張を作ります。
ファシリテーションディベートでは、議論をわかりやすくするとともに論を絞るという観点から、それぞれ3つずつで行います。
内容は、1つの主張に対して、理由、証拠資料、重要性です。
違うチームが同じ主張をするとき、理由や証拠資料が違っても問題ありません。

(例)
論題「コモディティ化した市場に新商品を投入すぺきである」

肯定側
プラン 既存設備で製造できる商品を市場に投入する

メリット1 コモディティ化した市場は売上が上がる
Aチーム理由 市場がコモディティ化してしまっているため、機能を真似すれば販売できる。

Bチーム理由 後発品のため、各社の特徴をミックスした商品を製造できる

Cチーム理由 ユーザーに支持されている機能に絞った商品で低価格の商品を製造できる

証拠資料 同様事例などを調査

重要性 売上が上がる必要性、また、見込純利益などを提示して、その価値を述べる。

立論での注意点

全般的に言えることですが、論理の飛躍(オーバークレーム)に注意してください。例えば、証拠資料が理由を本当に支えるものなのか?ということです。
外国の事例などを引用するとき、商習慣などが日本と同じことを証明できなければ、主張(メリット・デメリット)の発生を説明する理由は、極めて弱いものになります。
また、AだからBが本当に言い切れるのか。重要性がきわめて低くないかといった点にも目を向ける必要があります。

反論の仕方

相手の論の検証

相手の立論の矛盾点や論理の飛躍、証拠の妥当性、重要性の大きさなどを突きます。立論での注意点の裏返しです。基本的にディベートでは、主張しないことは認めたものとして扱われます。後で気づいたときに言うこともできません。相手の主張があって、いちばん早いタイミングで発言することが求められます。新しい議論(ニューアーギュメント)を認めない理由は、相手に反論の機会を確保するためです。
重要性の大きさは争うべきポイントです。主張3つが発生しても重要性が極めて低ければ、1つの主張だけで上回ることができるからです。例えば、メリット3つが発生して、売上が上がることが重要だとします。ただし、メリット3つから上がる売上は各々100円で総計300円だとします。そのとき、設備投資などで1,000円かかるとすれば(この議論は、立論か初めての反論で出します)、メリット3つが発生していても、主張としては1つのデメリットか反論が上回ることを言えます。(もちろん、これに対して反論することができます。売上は継続的に上がるので4ヶ月目以降から純利益が発生するなど。継続的に発生する保証があるか反論される余地はあります)

自分の論を守る

相手から指摘された点について、自分たちのグループで協議します。まず、細大漏らさず反論された点を確認します。そのうえで、どのような反論をするか、反論に対しての証拠資料を持っているかなどをふまえて決定します。
時間配分の観点から、発生を問われている点、重要性に疑問を呈されている点などについて先に答えていくといいと考えられますがマストではありません。
発生を問われている点を先に答える理由は、後回しにして時間切れになると、主張(メリット・デメリット)そのものが消滅してしまうからです。ただし、立論で述べたことと違う理由、証拠資料を新しく持ち出すことはできないので注意してください。
重要性については、相手の論を検証する過程の裏返しです。重要性を極めて小さいもの、あるいは無きに等しいものと断じられた場合、発生したとしても意味がありません。相対的なものならば、あらためて意味を説明して影響度の強さを述べる必要があります。数字であれば、先程の例ように数字が持つ意味などを説明しなければなりません。

ディベート単体での活用

ディベートは、企業研修への導入などが積極的に進められています。目的は、交渉を優位に進めたり、説得力を向上させたりするためです。
これまで、ファシリテーションディベートの一環としてのディベートを、一部、競技ディベートについても触れながら解説してきました。
ベルワークスでは、より、交渉力や説得力を向上させる目的でのディベート単体でのコーチングも承っています。
優劣をつけることから、社内レクリエーションとしてゲーム性を高めた、即興ディベートを行うこともできますので、お気軽にご相談ください。

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南上清一郎(Seiichiro NANJO)

南上清一郎(Seiichiro NANJO)

印刷会社、広告制作会社、広告代理店、コンサルティングファームを経てベルワークスを創業。
ビジネスコンセプトは「クリエイティビティ for コモディティ」
効率的で効果的な意思統一を図るために「ファシリテーションディベート」を開発。
学生時代からディベートに取り組み、受賞歴多数。
スピーチの指導も積極的に行っており、本業の傍ら、日本弁論連盟理事を務める。
明治大学 武蔵野美術大学